収蔵品のご案内Collections

絹を生んだ国、中国はユーラシア大陸の東端に位置し、新石器時代から現代に至るまで栄枯盛衰を繰り返しながら、いつの時代も文明の華を咲かせ続けてきた文化大国です。朝鮮半島、日本、そして東南アジア諸国に及ぼした影響ははかりしれません。
中国の美術と建築は独自の文化のみならず、西方の文化や北方からの遊牧文化も飲み込みながら連綿と続いた文明の足跡をみせてくれます。 当館の所蔵品には、先史時代の土器をはじめ、俑、トンボ玉と呼ばれる象嵌ガラス玉、西方の影響顕著な染織品などがあります。

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    観音菩薩立像

    7世紀 中国(隋)
    石灰岩 高116.7cm

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    三彩鳳首瓶

    8世紀(唐時代)中国
    陶器 高33.5cm

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    女子馬球俑

    8世紀 中国
    陶 高 28.0cm

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    三彩駱駝・牽駝夫俑

    8世紀 中国(唐)
    陶 高85.5cm(駱駝)
    61.0cm(胡人)

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    駱駝俑

    5世紀後半-6世紀前半 中国
    灰陶加彩 高20.0cm

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    加彩宮女俑

    8世紀 中国(唐)
    陶加彩 高60.5cm

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    紫羅地鳳凰文刺繍裂

    7世紀 中国(唐)
    絹、金箔 31.6×31.0cm

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    茶羅地双天馬文刺繍裂

    中国(唐)8世紀頃
    絹、撚金糸 28.0×26.6cm

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    三彩有蓋壺

    8世紀(唐時代) 中国
    陶 高25.1×幅21.0㎝

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    三彩兎文皿

    12-13世紀(金時代)中国
    陶 径11.5cm

中国の新疆ウイグル自治区~ウズベキスタン、アフガニスタン一帯に至る中央アジアは、文字通り、東アジアと西アジアの中間に位置するシルクロードの要衝で、南アジアへの分岐点でもありました。アレクサンドロス東征の道も、玄奘三蔵が中国からインドに向かった求法の道も、中国北方から西へ押し寄せた民族大移動の波も、中央アジアを越えていきました。その数だけ、この地域はシルクロードを介した混淆文化の花を咲かせたといえます。
当館所蔵の平山コレクションにも、古代オリエント世界との交流を示す先史時代のバクトリアの女神像、ササン朝文化の流れを汲む銀器やソグド錦、大谷探検隊将来の菩薩像頭部、スタイン将来の壁画片など、秀逸な文化財が含まれています。

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    菩薩像頭部

    7世紀頃 クムトラ
    塑像彩色 高20.5cm

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    帝王狩猟文皿

    3-4世紀 バクトリア アフガニスタン
    銀・鍍金 径28.5cm

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    鍍金銀製水差

    700年頃 アフガニスタン~ウズベキスタン南部
    銀・鍍金 高48.8cm

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    地母神像

    前2000年頃 バクトリア アフガニスタン
    石灰石・クロライト 高13.0cm

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    赤地連珠双鴨文緯錦靴下

    7-8世紀 ソグド
    絹 高21.5cm 幅14.0cm

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    綾錦袍(あやにしきほう)

    唐 8世紀
    絹 丈122cm

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    ディアデム(冠)

    前2-後2世紀 バクトリア アフガニスタン
    金・ラピスラズリ 径17.5cm

現在のパキスタン北西部地方の古代名。インド亜大陸と中央アジアの草原地帯・西アジアとを結ぶ要衝にあって、古くから幾多の民族が去来し、文明・文化を幾重にも積み重ね、複雑に織りなしてきました。この地は何世紀にもわたって文化の重要な発信地の一つとして史上に名高い。とりわけ、この地で初めて仏陀を人の姿で表した仏像が作られたと考えられています。弥勒菩薩像、観音菩薩像、執金剛、鬼子母神像なども、ガンダーラで生まれました。当館のガンダーラ・コレクションは世界的にも有名です。

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    仏陀立像

    2-3世紀 スワート
    灰色片岩 高98.5cm

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    仏陀坐像

    3-4世紀 ガンダーラ
    灰色片岩 高96.5幅61.0cm

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    樹下観耕の太子像頭部

    2-3世紀 ガンダーラ
    灰色片岩 高38.0cm

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    弥勒菩薩交脚像

    2-3世紀 ガンダーラ
    灰色片岩 高63.0幅36.5cm

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    仏伝図浮彫 四天王奉鉢浮彫

    2-3世紀 ニモグラーム(スワート)
    灰色片岩 高45.0 幅59.0cm

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    柱頭

    3-4世紀 マラカンド?
    灰色片岩 高11.0cm 幅49.2cm

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    仏陀立像

    4-5世紀 ガンダーラ
    青銅 高30.0cm

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    仏陀立像

    5-6世紀 パキスタン北東部
    青銅 高68.0cm

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    女性供養者像

    3-4世紀 ガンダーラ ストゥッコ
    高37.0cm

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    青年像頭部

    2-3世紀 ガンダーラ
    粘土 高31.0cm

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    印章指輪

    前2-後2世紀 バクトリア アフガニスタン
    金・ラピスラズリ 径17.5cm

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    耳飾り

    1-3世紀 パキスタン北西部
    金 長9.5×幅4.7cm

南アジア、すなわちインド世界は仏教の故郷であり、仏教美術発祥の地でもあります。それに先立つ先史時代のドラヴィダ文化、聖典ヴェーダにみられる古代アーリア文化、仏教後のヒンドゥ文化、北部を覆ったイスラーム文化と折り重なり、文化・美術は多様多相です。
当館のコレクションには、先史時代のヘルガル文化に属す女性土偶、シュンガ時代の女神の奉献板、仏像、イスラーム時代のカシミール・ショールなどがあります。

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    女性土偶

    前3000-2700年 バローチスターン パキスタン
    粘土 高7.6cm

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    奉献板 女神

    前1-後1世紀 チャンドラケートゥガル インド
    テラコッタ 高43.0cm

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    欄循門柱 ヤクシャとヤクシニー

    2-3世紀 マトゥラー インド
    赤色砂岩 高69.0cm

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    仏陀坐像

    300年頃 インド東部
    黄斑点赤色砂岩

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    ストゥーパ浮彫

    アマラーヴァティー インド 2世紀
    石灰石 高104.2×幅81.3cm

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    肩掛け

    カニカール ムガル王朝期 17世紀
    カシミヤ 綴織(ダブルインターロック)2/2綾組織 288×131cm

先史時代より文明・文化を育んできた西アジアは、シルクロードの時代には、西のローマ、ビザンチン帝国と中央アジアのクシャーン、西突厥の帝国、東の漢、唐代の中国との狭間でアケメネス朝とササン朝の2つのペルシアとパルティアという大帝国を築き、古代世界の中心であり続けました。暦法や天文学といった生活に関わるものから、グリフィンをはじめとする有翼の怪獣たち、ブドウ蔓草文様、パルメット文、ライオンなど西アジアに発する意匠はシルクロード全域に大きな影響を及ぼしました。

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    彩釉睡蓮文装飾壺

    前10-8世紀 イラン北西部 ファイアンス
    高18.5cm

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    人物・動物形土偶

    前1千年紀 イラン北西部
    土 高24.4cm

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    彩釉レンガ

    前8-7世紀頃 クルディスタン イラン
    33.0×33.0cm

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    注口把手付壺

    前10-8世紀 イラン
    土器 高22.0cm 長32.0cm

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    貴婦人胸像

    2-3世紀 パルミラ シリア
    石灰岩 高46.0 幅38.0cm

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    有翼馬形ブローチ

    イラン(ササン朝)3-7世紀
    銀 高3.4cm 幅3.4cm

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    打出切子碗

    イラン(ササン朝) 6世紀
    ガラス 高8.7cm 径12.2cm

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    浮出円形切子装飾碗

    5-7世紀 イラン
    ガラス 高さ9.5cm 径11.5cm

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    一角獣形土器

    前1000-500年頃 コーカサス~アナトリア
    土器 高33.0cm

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    舗床モザイク

    シリア ローマ時代末期 5-6世紀
    大理石

ギリシアとそれをとりまく古代地中海世界はその地理的条件から、様々な文化の影響を受けつつ展開していきます。古代ギリシア美術は、オリエントやエジプトの先進文明を受容し、ミノア・ミュケナイ文明の伝統を継承しながら、彫刻や建築、絵画などの分野で大きく発展し、やがて美の規範ともいわれるクラシック美術(古典美術)を完成させます。
ギリシアの古典美術は、古代ギリシア文明が滅んだあとも、ローマ帝国へと受け継がれ、その後、西洋美術の源流となります。しかし、ギリシア美術が影響を与えたのは、ヨーロッパの美術だけではありませんでした。アレクサンドロス大王の東方遠征と、ローマ帝国の拡張によって、ギリシア・ローマ美術の伝統は、西アジアからインド、中央アジアへと伝えられ、ガンダーラ仏をはじめとするシルクロード美術の原点にもなったのです。

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    ギリシア陶器 アッティカ黒像式アンフォラ

    前6世紀後半 ギリシア、アッティカ地方(アテネ)
    陶器 高41.0cm

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    女神像頭部

    前4世紀 南イタリア
    テラコッタ 高27.0cm

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    彩色装飾タイル グリフォン

    前6世紀末 トルコ、小アジア
    テラコッタ 高22.0×幅21.5cm

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    ギリシア陶器 コリントス式オルペ

    前6世紀初頭 ギリシア、コリントス地方
    陶器 高41.5cm

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    ギリシア陶器 アッティカ赤像式アンフォラ

    前5世紀中頃 ギリシア、アッティカ地方(アテネ)
    陶器 高35.2cm

東南アジアはシルクロード沿道諸国ではありませんが、中国や日本と西方諸国を結ぶ海上ルートの重要な中継地です。近年では、この海上交易ルートを「海のシルクロード」と象徴的に呼ぶこともあります。このため、早い時代から東西の文明大国、インドと中国から強い影響を受けています。インドから仏教、ヒンドゥ教、カースト、食文化などを受容し、中国から人とともに多様な文化が流入しました。さらに、時を経てイスラームが入り、大航海時代にはいるとヨーロッパ諸国の船で賑わい、植民地化されていきました。
当館には、インドのみならず日本やヨーロッパからの影響を示す更紗、土着の儀礼やお祭に使われた仮面、原始的な土器、中国的な陶器、東インド会社時代のガラス器などが収蔵しています。

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    有刻曲線文高杯

    前1千年紀 バンチェン タイ
    高15.1cm

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    渦巻文大壺

    前500年頃 バンチェン タイ
    高44.3cm

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    ピダン〔儀礼用布〕

    20世紀 カンボジア
    絹 364.0×86.0cm

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    サルン・プロド〔女性用腰衣〕

    19-20世紀 ジャワ島チルボン インドネシア
    木綿 207.0×107.0cm

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    イヌ〔サルン/腰衣〕

    20世紀 スマトラ島ランプン インドネシア
    木綿・絹 118.0×126.0cm

624年にアラビア半島に興ったイスラーム教は古代世界を席巻し、西アジアを中心に中国西部から北アフリカにいたる広大な地域を呑み込んで、それまでの他の宗教文化を一変させました。偶像を比定したイスラーム文化はアラベスクと呼ばれる幾何学文や多様な植物文様に彩られています。当館は、おもにイスラーム陶器、近現代の染織品などを収蔵しています。

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    ラスター彩植物文大皿

    11-12世紀 サーヴェ イラン
    径43.0cm

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    ミナイ手騎馬人物文鉢

    12-13世紀 カーシャーン イラン
    径15.5cm

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    青釉黒線文鶏冠壺

    12-13世紀 カーシャーン イラン
    高27.5cm

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    連珠文人物形土器

    8世紀 中央アジア南西部
    高27.5cm

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    白釉人物文組タイル

    17-18世紀 イラン
    16.7×16.8cm

前7世紀にトルコ西部のリュディア王国で金属製コインが発行されると、その有効性から、たちまち東西世界に広まり、力ある王朝は自分たちのコインを発行するようになりました。シルクロード各地でも、王朝や王が代わるたびに発行され、なかには一人で幾種類ものコインを発行した王もいて、栄華盛衰の数だけ種類があると言えます。
その美しさ故にコレクションの対象となっているコインですが、時代を駆け抜けた支配者たちの肖像、名前、称号などを知る重要な歴史資料であると同時に、その重量、裏面に刻出された神像は交易圏、文化交流の足跡を示す貴重な資料でもあります。
当館は3,000枚を超えるコインを所蔵していますが、なかには、いまのところ世界で1点しか見つかっていない貴重かつ美術史上重要な金貨もあります。

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    アレクサンドロス3世銀貨

    前336-323年 テメノス朝 マケドニア

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    リュシマコス銀貨

    前323-281年 アッタロス朝 トラキア
    径4.2cm

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    セレウコス1世銀貨

    前312-280年 セレウコス朝 シリア
    径2.8cm

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    アントニウスとクレオパトラ7世銀貨

    前51-30年 プトレマイオス朝 エジプト
    径3.5cm

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    デメトリオス1世銀貨

    前190- 年 グレコ・バクトリア王
    径3.4cm

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    メナンドロス銀貨

    前2世紀中頃 インド・ギリシア人王
    径2.8cm

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    ミトラダテス2世銀貨

    前128-88年頃 セレウコス朝 パルティア
    径3.0cm

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    アルダシール1世銀貨

    224-241年 ササン朝 ペルシア
    径2.7cm

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    シャープール1世金貨

    242-272年 ササン朝 ペルシア
    径2.2cm

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    カニシュカ1世金貨

    2世紀頃 クシャーン朝
    径2.1cm

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    カニシュカ1世金貨

    2世紀頃 クシャーン朝
    径2.1cm

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    バフラーム1世金貨

    4世紀 クシャノ・ササン朝
    径3.4cm

平山郁夫収蔵作品

シルクロードの魅力について

外観

中央高速道路「小淵沢」インターより約10分 JR小海線「甲斐小泉」駅前すぐ JR中央線「小淵沢」駅より車で10分。

・開館時間
10:00~17:00(入館16:30まで)
・休館日
展示替え期間、年末、冬季(1月中旬~3月中旬)。詳しい日程はお問い合わせ下さい。